片足立ちからスキップへ―幼児の「できる」を年齢順に並べる発達マイルストーン
第112回医師国家試験 F問題 第18問
国試問題にチャレンジ
発達過程において,可能になる年齢が最も遅いのはどれか。
- a.ごっこ遊びをする。
- b.自分の年齢を言う。
- c.スキップをする。
- d.片足立ちをする。
- e.三輪車に乗る。
対話形式の解説
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクターまとめ
幼児の発達は粗大運動・微細運動・言語・社会性の各領域に目安となる通過年齢があり、異なる領域の項目でも年齢に置き換えれば比較できます。短時間の片足立ちと三輪車、自分の年齢や姓名を言うことはおおむね3歳前後、役割を分担するごっこ遊びは3〜4歳ごろ、スキップは4歳半〜5歳ごろで、本問では最も遅いのはスキップです。粗大運動は「片足立ち→ケンケン→スキップ」と積み上がり、描画も「丸(3歳)→十字(4歳)→四角・三角(5歳)→ひし形(6歳)」と順に進むため、セットで覚えると整理しやすくなります。通過年齢はあくまで目安であり、個人差を踏まえて領域全体や経時的変化から評価する姿勢が、乳幼児健診や保護者対応の場で欠かせません。
解答・解説
正解はcです
小児の発達は、粗大運動、微細運動、言語、社会性(対人関係・遊び)といった領域ごとに、おおよその通過年齢(標準的な子どもの多くができるようになる年齢)が知られている。本問は、幼児期の各領域のマイルストーン(発達の目安)を比較し、最も遅く獲得されるものを選ぶ問題である。 各選択肢のおおよその獲得年齢を整理すると次のようになる。 ・片足立ち(短時間):2歳半〜3歳 ・三輪車をこぐ:3歳 ・自分の年齢を言う:3歳ころ ・ごっこ遊び:3〜4歳 ・スキップ:4歳半〜5歳 粗大運動は「歩く→走る→両足跳び→片足立ち・三輪車→片足跳び(ケンケン)→スキップ」の順に発達する。スキップは片足ずつ交互に跳ねながら前進する動作で、片足でのバランス保持、リズムの切り替え、左右の協調が同時に必要となるため、幼児期の粗大運動の中でも獲得が遅い。したがって最も遅いのはスキップである。
選択肢考察
- ×a. ごっこ遊びをする。
ままごとなどのごっこ遊びは3〜4歳(3歳半〜4歳ころ)に盛んになる。2歳ころの物を別の物に見立てる「見立て遊び」が発展し、役割を分担して友達と一緒に遊べるようになるものである。象徴機能(あるものを別のもので表す能力)と他者との関わりの発達を反映する。スキップより早い。
- ×b. 自分の年齢を言う。
自分の年齢を言えるようになるのは3歳ころ(早い子では2歳半ころ)である。同じ時期に自分の姓名も言えるようになり、3語文や「なぜ」「どうして」といった質問が出てくる。3歳児健康診査で確認される代表的な言語発達の項目であり、スキップより早い。
- ○c. スキップをする。
スキップは4歳半〜5歳ころに可能となり、選択肢の中で最も遅い。スキップには片足で体重を支えるバランス能力、跳躍、左右の足の交互のリズム的な切り替えが必要で、片足立ち(3歳)、片足跳び(ケンケン、4歳)を経てようやく獲得される。5歳ころの粗大運動の代表的な目安である。
- ×d. 片足立ちをする。
短時間の片足立ちは2歳半〜3歳ころに可能となる。その後、片足立ちの持続時間は年齢とともに延び、4歳ころには片足跳び(ケンケン)ができるようになる。スキップはこの片足でのバランス能力を前提とする動作であり、片足立ちの方が早い。
- ×e. 三輪車に乗る。
三輪車のペダルをこいで進めるのは3歳ころである。両下肢を交互に動かす協調運動の発達を示し、3歳児の粗大運動の代表的な目安とされる。スキップより早い。
幼児期の主な発達の目安
・1歳:ひとり歩き(1歳〜1歳3か月)、意味のある単語(有意語)を話す。 ・1歳6か月:上手に歩く、なぐり書き、2〜3語の単語、絵本の絵を指さす。 ・2歳:走る、両足でぴょんぴょん跳ぶ、階段を手すりで昇り降り、2語文、積み木を数個積む、見立て遊び。 ・3歳:片足立ち(短時間)、三輪車をこぐ、階段を足を交互に出して昇る、円を描く(丸をまねて描く)、姓名・年齢を言う、3語文、衣服の着脱を手伝ってもらいながらする。 ・4歳:片足跳び(ケンケン)、十字をまねて描く、ごっこ遊び・友達と協同して遊ぶ、ボタンをかける、簡単な質問に答える。 ・5歳:スキップ、四角形・三角形をまねて描く、人物画(顔と手足のある絵)、じゃんけんの勝ち負けがわかる、色の名前を言う、ひとりで衣服の着脱。 ・6歳:ひし形をまねて描く、なわとび、文字への関心の高まり。
粗大運動の発達順序
頸定(3〜4か月)→寝返り(5〜6か月)→おすわり(7か月)→つかまり立ち(9か月)→ひとり歩き(1歳〜1歳3か月)→走る・両足跳び(2歳)→片足立ち・三輪車(3歳)→ケンケン(4歳)→スキップ(5歳)。
評価法
乳幼児健康診査では、こうした通過年齢をもとに発達の遅れを評価する。代表的な評価ツールとして遠城寺式乳幼児分析的発達検査法、日本版デンバー式発達スクリーニング検査(DENVER II)、新版K式発達検査などがある。発達には個人差があるため、単一項目の遅れだけで判断せず、領域全体の進み方や経時的な変化をみて評価する。
POINT
・スキップは5歳(4歳半〜5歳)の粗大運動の目安で、本選択肢中もっとも遅い。 ・3歳でできること:片足立ち、三輪車、姓名・年齢を言う、丸を描く。 ・4歳:ケンケン、十字を描く、ごっこ遊び。 ・5歳:スキップ、四角・三角を描く。 ・粗大運動は「片足立ち→ケンケン→スキップ」の順に発達する。
