毎年6月の恒例行事を法律から読む―学校保健安全法と小学校の健康診断
第108回医師国家試験 B問題 第5問
国試問題にチャレンジ
小学校の健康診断について正しいのはどれか。
- a.隔年で実施される。
- b.聴力検査は含まれない。
- c.胸部エックス線撮影を行う。
- d.心エコー検査は必須項目である。
- e.学校保健安全法に基づいて行われる。
対話形式の解説
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
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医学生
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医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクターまとめ
小学校をはじめとする学校の健康診断は、学校保健安全法(旧:学校保健法)とその施行規則に基づいて行われ、定期健康診断は毎学年6月30日までに実施されます。聴力検査は項目に含まれ(小学校第4・6学年は省略可)、結核は小・中学校では全学年で問診を行い、胸部エックス線撮影は必要と判断された者に限られます(全員撮影は高校・大学の第1学年)。心臓は診察と心電図(小・中・高の第1学年で全員)で調べ、心エコーは異常を指摘された後の精密検査です。2016年度には座高・寄生虫卵検査が外れ四肢の状態が加わるなど、項目は時代とともに見直されています。対象ごとの根拠法と、スクリーニングから事後措置までの流れを理解しておくことは、学校医として子どもの健康を支える際にも役立ちます。
解答・解説
正解はeです
問われていること
学校で行われる児童生徒の定期健康診断について、根拠となる法律、実施頻度、検査項目の基本を問う問題である。
考え方
学校における健康診断は、学校保健安全法(2009年4月に学校保健法から改称・改正)とその施行規則に基づいて行われる。児童生徒等の定期健康診断は、毎学年、6月30日までに実施することとされている。検査項目は施行規則で定められており、学年によって実施する項目や省略できる項目が細かく決められている。 小学校で押さえるべき要点は次のとおりである。 ・毎年実施(隔年ではない) ・聴力検査は含まれる(一部の学年では省略可) ・結核は全学年で問診を行い、胸部エックス線撮影は必要と判断された者にのみ行う(全員への撮影は高校・大学の第1学年) ・心臓の検査は心電図であり、小学校第1学年で全員に実施する。心エコーは定期健康診断の項目ではない これらを踏まえると、正しいのは e である。
選択肢考察
- ×a. 隔年で実施される。
児童生徒等の定期健康診断は、学校保健安全法施行規則により毎学年、6月30日までに実施することとされている。隔年ではない。なお、疾病の流行時など必要があるときには臨時の健康診断も行われる。
- ×b. 聴力検査は含まれない。
定期健康診断には「視力及び聴力」の検査が含まれている。小学校では原則として毎学年、オージオメータを用いて1,000Hzと4,000Hzの音が聞こえるかを確認する選別聴力検査を行う。ただし、小学校の第4学年と第6学年は聴力検査を省略できる(中学校・高等学校では第2学年が省略可)。省略できる学年があるだけで、項目に含まれないわけではない。
- ×c. 胸部エックス線撮影を行う。
小学校・中学校では、結核の検査として全学年で問診(結核患者との接触歴、既往歴、自覚症状など)を行う。そのうえで、学校医の診察や教育委員会の結核対策委員会での検討により精密検査が必要と判断された者に限って、胸部エックス線撮影、喀痰検査などを行う。全員に胸部エックス線撮影を行うのは、高等学校と大学の第1学年である。
- ×d. 心エコー検査は必須項目である。
心臓の疾病・異常の有無は、問診・聴診などの臨床医学的検査と心電図検査で調べる。心電図は小学校・中学校・高等学校の各第1学年で全員に行う。心エコー検査は、心電図や診察で異常を指摘された児童が医療機関で受ける二次検査であり、定期健康診断の必須項目ではない。これは小学校に限らず、いずれの学校段階でも同じである。
- ○e. 学校保健安全法に基づいて行われる。
学校における健康診断は、学校保健安全法とその施行規則に基づいて行われる。同法は、児童生徒等の定期・臨時の健康診断、職員の健康診断、就学時の健康診断などを定めている。旧名称は学校保健法であり、2009年4月の改正時に学校安全に関する規定が加わって現在の名称となった。
学校保健安全法に基づく健康診断の種類
・就学時の健康診断:翌年度に小学校へ入学する子どもを対象に、市町村の教育委員会が実施する ・児童生徒等の定期健康診断:学校が毎学年6月30日までに実施する ・児童生徒等の臨時の健康診断:感染症や食中毒の発生時などに必要に応じて実施する ・職員の健康診断:学校の設置者が実施する
児童生徒等の定期健康診断の検査項目
1.身長、体重 2.栄養状態 3.脊柱・胸郭の疾病および異常の有無、四肢の状態 4.視力、聴力 5.眼の疾病および異常の有無 6.耳鼻咽頭疾患、皮膚疾患の有無 7.歯および口腔の疾病および異常の有無 8.結核の有無 9.心臓の疾病および異常の有無 10.尿 11.その他の疾病および異常の有無 2016年度の改正で、座高の測定と寄生虫卵の検査が必須項目から外れ、四肢の状態(運動器の異常)が加わった。
学年で区別される主な項目
・結核:小・中学校は全学年で問診、必要な者に精密検査。高校・大学の第1学年は全員に胸部エックス線撮影 ・心電図:小・中・高校の各第1学年で全員に実施 ・聴力:小学校第4・6学年、中学校・高校の第2学年は省略可能 ・尿検査:幼稚園から高校までが対象で、大学では省略できる
事後措置
学校は健康診断の結果を21日以内に本人(小・中学生などでは保護者)に通知し、疾病の予防処置や治療の指示、運動・作業の軽減などの適切な措置をとる。
POINT
・学校の健康診断の根拠法は学校保健安全法(旧:学校保健法)。 ・定期健康診断は毎学年6月30日までに実施。 ・聴力検査は含まれる(小学校第4・6学年は省略可)。 ・小・中学校の結核検査は問診が基本で、胸部エックス線撮影を全員に行うのは高校・大学の第1学年。 ・心臓検診は心電図(小・中・高の第1学年で全員)であり、心エコーは必須ではない。
