デイサービスで「機能訓練」を担えるのは誰?―機能訓練指導員の資格要件を整理する
第117回医師国家試験 C問題 第19問
国試問題にチャレンジ
介護保険法に基づき身体機能・生活機能の維持・向上を目的として行う機能訓練の職務に従事できない資格はどれか。
- a.看護師
- b.介護福祉士
- c.言語聴覚士
- d.作業療法士
- e.理学療法士
対話形式の解説
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
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医学生
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医学生
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医学生
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医学生
ドクター
医学生
ドクターまとめ
介護保険法に基づく通所介護や特別養護老人ホームなどでは、利用者の身体機能・生活機能の維持・向上のために機能訓練指導員を置くことが定められており、その資格は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師・准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、一定の実務経験を持つはり師・きゅう師に限られます。介護福祉士は介護の専門職ですが資格要件に含まれず、機能訓練の職務には従事できません。理学療法士は基本的動作能力、作業療法士は応用的動作能力や社会的適応能力、言語聴覚士は言語・聴覚・嚥下機能を主に担うと整理すると覚えやすいでしょう。また、デイケアや介護老人保健施設などで医師の指示の下に行うリハビリテーションとは区別されます。各職種の役割を正しく理解することは、主治医意見書の作成や多職種連携で患者を適切なサービスにつなぐための基礎となります。
解答・解説
正解はbです
機能訓練指導員とは
介護保険法に基づく通所介護(デイサービス)、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、短期入所生活介護(ショートステイ)、特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホームなど)といったサービスでは、利用者の身体機能・生活機能の維持・向上を目的とした機能訓練を行うために「機能訓練指導員」を配置することが人員基準で定められている。機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防ぐための訓練を行う能力を有する者とされ、その資格は省令・通知で次のように限定されている。 ・理学療法士 ・作業療法士 ・言語聴覚士 ・看護職員(看護師・准看護師) ・柔道整復師 ・あん摩マッサージ指圧師 ・はり師・きゅう師(2018年度から追加。理学療法士等を配置した事業所で6か月以上機能訓練指導に従事した経験を有する者に限る)
考え方
これらは、いずれも身体の構造や機能、疾患についての医学的知識をもとに、評価や施術・訓練を行う国家資格である。一方、介護福祉士は日常生活の介護を専門とする国家資格であり、機能訓練指導員の資格要件には含まれていない。したがって、選択肢のうち機能訓練の職務に従事できないのは介護福祉士である。 なお、介護職員が日々の介護の中で、機能訓練指導員の作成した計画に沿って生活動作を促すなどの関わりをすることはあるが、それは機能訓練指導員として機能訓練の職務を担うこととは区別される。
選択肢考察
- ×a. 看護師
従事できる。看護職員(看護師・准看護師)は機能訓練指導員の資格要件に含まれる。看護師は療養上の世話と診療の補助を業とし、疾患や全身状態を踏まえて、例えば麻痺のある利用者の歩行訓練や関節可動域訓練、日常生活動作の練習などを担うことができる。
- ○b. 介護福祉士
従事できない(本問の正解)。介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法(1987年制定)に基づく国家資格で、身体上または精神上の障害により日常生活に支障がある人に対し、心身の状況に応じた介護(喀痰吸引などを含む)を行い、本人や介護者に介護に関する指導を行う。介護の専門職ではあるが、機能訓練指導員の資格要件には含まれておらず、介護保険法に基づく機能訓練の職務に従事することはできない。
- ×c. 言語聴覚士
従事できる。言語聴覚士(ST:speech-language-hearing therapist)は、言語聴覚士法に基づき、音声・言語・聴覚の機能や摂食嚥下機能に障害のある人に対して、機能の維持向上を図るための訓練・検査・助言・指導を行う専門職である。失語症や構音障害、嚥下障害などに対する訓練を担い、機能訓練指導員の資格要件に含まれる。
- ×d. 作業療法士
従事できる。作業療法士(OT:occupational therapist)は、理学療法士及び作業療法士法に基づき、身体または精神に障害のある人に対して、主として応用的動作能力や社会的適応能力の回復を図るため、手芸・工作その他の作業を用いて治療・訓練・指導を行う専門職である。食事・更衣・入浴などの日常生活動作の訓練も担い、機能訓練指導員の資格要件に含まれる。
- ×e. 理学療法士
従事できる。理学療法士(PT:physical therapist)は、理学療法士及び作業療法士法に基づき、身体に障害のある人に対して、主として基本的動作能力(起き上がる、座る、立つ、歩くなど)の回復を図るため、治療体操などの運動療法や、電気刺激・マッサージ・温熱などの物理療法を行う専門職である。機能訓練指導員の代表的な職種である。
主な医療・介護関係職種と根拠法
・看護師:保健師助産師看護師法。療養上の世話と診療の補助を業とする。 ・理学療法士・作業療法士:理学療法士及び作業療法士法(1965年)。医師の指示の下に理学療法・作業療法を行う(診療の補助として行う場合)。 ・言語聴覚士:言語聴覚士法(1997年)。音声・言語・聴覚、嚥下の機能訓練などを行う。 ・介護福祉士:社会福祉士及び介護福祉士法(1987年)。介護および介護に関する指導を行う。2012年度から一定の研修を受けて喀痰吸引・経管栄養も実施できるようになった。 ・柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師:それぞれ柔道整復師法、あん摩マツサージ指圧師・はり師・きゆう師等に関する法律に基づく。
介護保険における機能訓練の位置づけ
・機能訓練指導員は、利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、それに基づいて訓練を実施・評価する。通所介護などでは、専従の機能訓練指導員の配置や計画的な訓練の実施により「個別機能訓練加算」が算定できる。 ・訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション(デイケア)、介護老人保健施設などのリハビリテーションは、医師の指示の下に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が中心となって行うもので、通所介護などにおける機能訓練とは区別される。
類似資格との区別
社会福祉士は相談援助、介護支援専門員(ケアマネジャー)はケアプランの作成を担う職種であり、いずれも機能訓練指導員の資格要件には含まれない。
POINT
・介護保険の機能訓練指導員になれる資格:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師・准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師(実務経験要件あり)。 ・介護福祉士は介護の専門職であり、機能訓練指導員にはなれない。 ・PT=基本的動作能力、OT=応用的動作能力・社会的適応能力、ST=言語・聴覚・嚥下機能。
