風疹は「発しんが消えるまで」―感染力の推移から覚える出席停止期間
第108回医師国家試験 G問題 第7問
国試問題にチャレンジ
学校保健安全法における風疹の出席停止期間の基準について正しいのはどれか。
- a.発しんが消失するまで
- b.解熱した後3日を経過するまで
- c.発症した後5日を経過するまで
- d.すべての発しんが痂皮化するまで
- e.病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで
対話形式の解説
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生
ドクター
医学生まとめ
学校保健安全法では、風疹は第二種感染症に分類され、出席停止期間の基準は「発しんが消失するまで」と定められています。発疹の出現前後に感染力が最も強く、発疹の消退とともに感染力が低下することが根拠です。麻疹は「解熱した後3日を経過するまで」、水痘は「すべての発しんが痂皮化するまで」、インフルエンザや流行性耳下腺炎は「5日経過」に解熱や全身状態などの条件が加わり、結核・髄膜炎菌性髄膜炎や第三種感染症は「医師が感染のおそれがないと認めるまで」が基準です。第二種の各疾患には医師が認めれば早期登校を許すただし書きがありますが、これは基準そのものとは区別して理解する必要があります。各疾患の感染力の推移と結びつけて整理することで、国試対策だけでなく、先天性風疹症候群の予防を含めた学校・地域での感染対策の理解にもつながります。
解答・解説
正解はaです
学校保健安全法では、学校で予防すべき感染症を第一種・第二種・第三種に分類し、校長は感染症にかかっている、またはその疑いやおそれのある児童生徒等を出席停止にできると定めている。その期間の基準は、同法施行規則第19条に疾患ごとに規定されている。 風疹は第二種の感染症(飛沫感染などで学校内に広がりやすく、流行を防ぐ必要があるもの)に分類され、出席停止期間の基準は「発しんが消失するまで」である。風疹ウイルスは発疹出現の数日前から出現後おおむね5〜7日程度まで咽頭から排泄され、発疹の消退とともに感染力が低下することが根拠となっている。 本問の他の選択肢は、麻疹・インフルエンザ・流行性耳下腺炎・水痘、第三種感染症などの基準を並べたものである。第二種感染症の基準は疾患ごとに異なり、国試で繰り返し問われるため、各疾患の感染力が続く期間の特徴と結び付けて整理して覚えるとよい。
選択肢考察
- ○a. 発しんが消失するまで
風疹の出席停止期間の基準である。風疹は発熱・発疹・リンパ節腫脹(特に耳介後部・後頭部)を三主徴とするウイルス感染症で、発疹は通常3日程度で消える。感染力は発疹出現前後に最も強く、発疹が消える頃には低下するため、「発しんが消失するまで」と定められている。なお、第二種感染症に共通して、病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めたときは、この基準より早く登校できるというただし書きがある。
- ×b. 解熱した後3日を経過するまで
麻疹の出席停止期間の基準である。麻疹は発疹出現の前後で二峰性の発熱を示し、感染力は発疹出現前のカタル期に最も強い。解熱後もしばらくはウイルス排泄の可能性があるため、解熱後3日を経過するまでとされている。風疹の基準ではない。
- ×c. 発症した後5日を経過するまで
「5日を経過」を要件に含むのは、インフルエンザ(発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日〈幼児は3日〉を経過するまで)、流行性耳下腺炎(耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで)、新型コロナウイルス感染症(発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで)などである。いずれも「5日経過」に加えて解熱や全身状態などの条件が組み合わされており、風疹の基準ではない。
- ×d. すべての発しんが痂皮化するまで
水痘の出席停止期間の基準である。水痘の発疹は紅斑→丘疹→水疱→痂皮と変化し、新旧の発疹が混在する。水疱の内容液には多量のウイルスが含まれるが、すべての発疹が痂皮(かさぶた)になると感染力はほぼなくなるため、この基準が採用されている。風疹の基準ではない。
- ×e. 病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで
第二種のうち結核と髄膜炎菌性髄膜炎、および第三種の感染症(コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他の感染症)の基準である。これらは一律の日数で区切ることが難しいため、医師の判断に委ねられている。風疹にも医師が感染のおそれがないと認めた場合のただし書きはあるが、施行規則に定められた基準そのものは「発しんが消失するまで」であり、本肢は風疹の基準としては誤りである。
学校保健安全法における感染症の分類と出席停止期間の基準
第一種:感染症法の一類感染症と、結核を除く二類感染症(ジフテリア、SARS、MERS、特定鳥インフルエンザ、急性灰白髄炎など)、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症。基準は「治癒するまで」。 第二種(空気感染・飛沫感染するもので、学校で流行を広げる可能性が高いもの) ・インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ等感染症を除く):発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで ・百日咳:特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで ・麻疹:解熱した後3日を経過するまで ・流行性耳下腺炎:耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで ・風疹:発しんが消失するまで ・水痘:すべての発しんが痂皮化するまで ・咽頭結膜熱:主要症状が消退した後2日を経過するまで ・新型コロナウイルス感染症(2023年5月に追加):発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで ・結核、髄膜炎菌性髄膜炎:病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで ※第二種の各疾患には、病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めたときはこの限りでない、というただし書きがある。 第三種(飛沫感染が主体ではないが、学校教育活動を通じて流行を広げる可能性があるもの):コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他の感染症。基準は「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」。
風疹の要点
・風疹ウイルスによる飛沫感染症で、潜伏期は約2〜3週間。 ・発熱、淡い紅色の小丘疹(顔面から全身へ広がり約3日で消退)、耳介後部・後頭部リンパ節腫脹が特徴。 ・妊娠初期(特に20週頃まで)の妊婦が感染すると、先天性風疹症候群(白内障、先天性心疾患〈動脈管開存症など〉、感音性難聴が三主徴)の原因となる。 ・予防はMR(麻疹・風疹混合)ワクチンの定期接種(1歳時と小学校就学前の年の2回)。感染症法では五類感染症(全数把握)である。
POINT
・風疹は学校保健安全法の第二種感染症で、出席停止期間の基準は「発しんが消失するまで」。 ・麻疹は「解熱後3日」、水痘は「すべての発疹が痂皮化するまで」、インフルエンザは「発症後5日かつ解熱後2日(幼児3日)」、流行性耳下腺炎は「腫脹発現後5日かつ全身状態良好」。 ・結核・髄膜炎菌性髄膜炎・第三種感染症は「医師が感染のおそれがないと認めるまで」。 ・第二種の基準は疾患ごとに異なるので、一覧で確実に覚える。
