StudyMed医師国家試験

100万人と数万人―桁で覚える医療職の就業者数、最少は保健師

第108回医師国家試験 H問題 第1問

国試問題にチャレンジ

第108回 H問題 第1問

就業者数が最も少ないのはどれか。

  1. a.医師
  2. b.看護師
  3. c.保健師
  4. d.薬剤師
  5. e.歯科医師

対話形式の解説

ドクタードクター
今回は、主な医療関係職種の就業者数の大小関係を問う問題だ。細かい数字を暗記するより、「桁」で規模感をつかんでおくのがコツだよ。まずは直感で、一番多い職種はどれだと思う?
医学生医学生
病棟でいちばん多く見かけるのは看護師さんなので、看護師だと思います。
ドクタードクター
その通り。看護師は医療関係職種の中で圧倒的に多く、就業者数は100万人を超えている。最近では約130万人規模だ。准看護師は別に集計されていて、それを加えるとさらに多くなる。
医学生医学生
では医師はどのくらいでしょうか。公衆衛生の講義で人口10万対の数字は聞いた気がするんですが…。
ドクタードクター
医師は30万人台で、人口10万対ではおよそ270人前後。医学部定員の増員などもあって、少しずつ増え続けている。ここで迷いやすいのが薬剤師だ。
医学生医学生
薬剤師は医師よりかなり少ないイメージでした。
ドクタードクター
実は医師とほぼ同じ規模で、30万人前後なんだ。医師がやや多いくらい。勤務先は病院よりも薬局が最も多いから、病院実習だけだと実感しにくいかもしれないね。
医学生医学生
歯科医師はどうですか。街に歯科医院はたくさんありますが。
ドクタードクター
歯科医師は約10万人で、医師や薬剤師のおよそ3分の1。しかもここ10年ほどはほぼ横ばいで推移している。では残る保健師はどうだろう。
医学生医学生
保健師さんは、地域医療実習で保健所に行ったときに数人お会いしたくらいです。かなり少ないのでしょうか。
ドクタードクター
いい実感だね。保健師の就業者数は数万人規模で、最近でも約6万人。選択肢の中では最も少ないから、これが正解になる。保健師になるには看護師国家試験と保健師国家試験の両方に合格する必要があって、主に市町村や保健所などの行政機関、事業所の産業保健の現場で働いている。
医学生医学生
医療機関の臨床業務が中心の職種と比べて、そもそも母数が小さいということですね。整理すると、看護師が100万人台、医師と薬剤師が30万人前後、歯科医師が約10万人、保健師が数万人という順番ですか。
ドクタードクター
完璧だ。看護師が桁違いに多く、医師、薬剤師、歯科医師、保健師の順に少なくなる。この順位は年が変わってもずっと同じだから、桁で押さえておけば十分対応できる。
医学生医学生
こうした人数はどの統計で調べられているんですか。CBTの公衆衛生で統計名がよく問われていた気がします。
ドクタードクター
医師・歯科医師・薬剤師は「医師・歯科医師・薬剤師統計」で、2年ごとに12月31日現在の届出をもとに集計される。保健師・助産師・看護師・准看護師や歯科衛生士などは「衛生行政報告例」の就業医療関係者として、やはり2年ごとに把握されている。統計名と対象職種の組み合わせも問われやすいよ。
医学生医学生
選択肢にない職種も押さえておいた方がよさそうですね。助産師はどのくらいですか。
ドクタードクター
助産師は約4万人弱で、保健師よりさらに少ない。看護職の中では、看護師、准看護師、保健師、助産師の順に多いと覚えておこう。歯科衛生士は約14万人で、実は歯科医師より多いんだ。
医学生医学生
歯科医院では歯科医師1人に対して歯科衛生士さんが複数いることが多いので、納得です。
ドクタードクター
そうやって現場の光景と結びつけると記憶に残りやすい。医師として働き始めると、地域包括ケアや多職種連携でこれらの職種と協働することになる。それぞれの職種がどのくらいの規模で、どこで働いているかを知っておくことは、地域の医療資源を考える基礎にもなるよ。

まとめ

主な医療関係職種の就業者数は、看護師(100万人台)が圧倒的に多く、医師(30万人台)、薬剤師(30万人前後)、歯科医師(約10万人)、保健師(数万人)の順で、最も少ないのは保健師です。保健師は看護師と保健師の両方の国家試験に合格して免許を得る職種で、主に保健所・市町村や産業保健の現場で働くため、臨床中心の職種に比べて母数が小さくなります。医師・歯科医師・薬剤師は医師・歯科医師・薬剤師統計、看護職などは衛生行政報告例によって2年ごとに把握されており、統計名と対象職種の対応も押さえておきたいポイントです。看護職の中では看護師>准看護師>保健師>助産師の順であり、歯科衛生士が歯科医師より多いことも関連知識として役立ちます。細かな数字ではなく桁で規模感をつかむことが、多職種連携や地域医療資源を考える土台になります。

解答・解説

正解はcです

問われていること

主な医療関係職種の就業者数(届出数)の大小関係を問う問題である。

おおよその規模感

医療関係職種の人数は、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」(旧:医師・歯科医師・薬剤師調査)と「衛生行政報告例(就業医療関係者)」によって2年ごとに把握されている。 本問出題時点に近い2012年(平成24年)のおおよその数: ・看護師:約101.6万人 ・医師:約30.3万人 ・薬剤師:約28.0万人 ・歯科医師:約10.3万人 ・保健師:約4.7万人 最近の2022年(令和4年)のおおよその数: ・看護師:約131万人 ・医師:約34.3万人 ・薬剤師:約32.4万人 ・歯科医師:約10.5万人 ・保健師:約6.0万人 いずれの年でも、多い順に「看護師 ≫ 医師 > 薬剤師 > 歯科医師 > 保健師」である。桁でとらえると、看護師は100万人台、医師・薬剤師は30万人前後、歯科医師は10万人程度、保健師は数万人と覚えておけば判断できる。したがって最も少ないのは保健師である。

選択肢考察

  1. ×a.  医師

    医師数は2012年に約30.3万人、2022年に約34.3万人で、医学部定員の増員などにより増加を続けている。人口10万対ではおよそ270人前後である。保健師よりはるかに多い。

  2. ×b.  看護師

    看護師は医療関係職種の中で最も多く、就業者数は2012年に約101.6万人、2022年に約131万人である。准看護師(2022年で約25万人)は別に集計されており、これを加えるとさらに多い。本選択肢の中で最多であり、最少ではない。

  3. ○c.  保健師

    保健師の就業者数は2012年に約4.7万人、2022年に約6.0万人であり、選択肢中で最も少ない。保健師は看護師国家試験と保健師国家試験の両方に合格することが免許の要件であり、主に市町村・保健所などの行政機関や、事業所(産業保健)で地域住民・労働者の健康管理や保健指導を担う。医療機関の臨床業務が中心の職種と比べると母数が小さい。

  4. ×d.  薬剤師

    薬剤師数は2012年に約28.0万人、2022年に約32.4万人で、医師数に近い規模である。勤務先は薬局が最も多く、次いで病院・診療所、医薬品関係企業などである。2006年からの薬学教育6年制移行の後も増加が続いている。保健師より多い。

  5. ×e.  歯科医師

    歯科医師数は2012年に約10.3万人、2022年に約10.5万人で、ほぼ横ばいで推移している。医師や薬剤師の約3分の1の規模であるが、保健師よりは多い。

医療関係職種の人数を把握する統計

・医師・歯科医師・薬剤師:医師・歯科医師・薬剤師統計(2年ごと、12月31日現在の届出に基づく) ・保健師・助産師・看護師・准看護師・歯科衛生士・歯科技工士など:衛生行政報告例(就業医療関係者、2年ごと)

選択肢以外の職種の目安(2022年)

・准看護師:約25万人 ・助産師:約3.8万人(保健師よりさらに少ない) ・歯科衛生士:約14.5万人

覚え方

看護職(看護師・准看護師)は100万人を超える最大の職種である。医師と薬剤師はいずれも30万人台で医師がやや多い。歯科医師は約10万人。保健師・助産師は数万人規模である。

POINT

・医療関係職種の人数は、看護師(100万人台)≫ 医師(30万人台)> 薬剤師(30万人前後)> 歯科医師(約10万人)> 保健師(数万人)の順。 ・看護職の中では、看護師 > 准看護師 > 保健師 > 助産師の順に多い。

※問題・正答は厚生労働省の公開資料をもとに掲載しています。