StudyMed医師国家試験

「4人に1人」をつかめば解ける―数字で見る日本の高齢化のスピード

第107回医師国家試験 B問題 第19問

国試問題にチャレンジ

第107回 B問題 第19問

 平成22年の我が国の65歳以上の人口の割合に最も近いのはどれか。

  1. a.5%
  2. b.15%
  3. c.25%
  4. d.35%
  5. e.45%

対話形式の解説

ドクタードクター
今回は、日本の高齢化がどのくらい進んでいるかを、おおよその数字でつかめているかを問う問題だ。統計問題は細かい値の丸暗記より、「だいたい何人に1人か」という感覚と、時代ごとの推移を押さえておくのがコツだよ。
医学生医学生
公衆衛生の講義で高齢化率は習いましたが、正直どの年が何%だったか曖昧です。
ドクタードクター
まず言葉の確認からいこう。総人口に占める65歳以上人口、つまり老年人口の割合を高齢化率、または老年人口割合という。平成22年は西暦でいうと何年かな。
医学生医学生
2010年ですね。国勢調査の年だったと思います。
ドクタードクター
その通り。その年の国勢調査では65歳以上人口は約2,900万人で、総人口の23.0%だった。選択肢の中で最も近いのは25%になる。当時から「国民の4人に1人に迫る高齢者」と言われていたから、その感覚があれば選べるはずだ。
医学生医学生
15%と迷いそうになりました。14%を超えると高齢社会、というのを覚えていたので。
ドクタードクター
いいところに気づいたね。日本が14%を超えて高齢社会に入ったのは1994年で、15%前後というのはおおむね1990年代半ばから後半の水準なんだ。2010年にはすでに20%を大きく超えていた。用語の基準値と、実際の値を混同しないことが大事だよ。
医学生医学生
高齢化社会、高齢社会、超高齢社会の基準も整理しておきたいです。
ドクタードクター
一般的な目安として、7%超が高齢化社会、14%超が高齢社会、21%超が超高齢社会だ。日本はそれぞれ1970年、1994年、2007年に到達している。つまり平成22年の時点で、日本はすでに超高齢社会だったわけだ。
医学生医学生
5%という選択肢は、さすがに低すぎますよね。
ドクタードクター
そうだね。5%前後は1950年ごろの日本の水準で、今なら高齢化があまり進んでいない国にみられる値だ。逆に35%は、将来推計で2040年ごろに到達すると見込まれている水準。45%は全国平均としては推計でも想定されておらず、一部の過疎地域の市町村でみられる程度の値だよ。
医学生医学生
選択肢を年代順に並べると、過去から未来への推移になっているんですね。そう考えると覚えやすいです。
ドクタードクター
まさにそういう作りになっている。そして日本の高齢化の最大の特徴はスピードだ。7%から14%に達するまでにかかった年数を倍加年数というけれど、日本は約24年。フランスは約115年、スウェーデンは約85年かかっているから、日本がいかに急速に高齢化したかがわかる。
医学生医学生
そんなに差があるんですか。社会保障や医療の体制づくりが追いつかないわけですね。
ドクタードクター
そういうことだ。それと、年齢3区分も一緒に押さえておこう。0〜14歳が年少人口、15〜64歳が生産年齢人口、65歳以上が老年人口。老年人口を生産年齢人口で割って100を掛けたものが老年人口指数で、現役世代何人で高齢者1人を支えるかの目安になる。
医学生医学生
CBTの勉強でも、指数の分母と分子を取り違えてよく間違えました。
ドクタードクター
分母は生産年齢人口、と覚えておけば大丈夫。それから注意してほしいのは、この問題は古い年次の値を聞いているということ。いま国家試験で問われるなら最新の値だ。2020年の国勢調査では約28.6%、2020年代半ばには約29%、およそ3.5人に1人が65歳以上になっている。
医学生医学生
2010年の23%から、10年ちょっとで6ポイントも上がっているんですね。
ドクタードクター
しかも2020年代には75歳以上人口が65〜74歳人口を上回っている。後期高齢者が増えるということは、多疾患併存、認知症、フレイル、在宅医療や介護のニーズが一層高まるということだ。将来推計では2040年ごろに約35%、2070年には約39%に達すると見込まれている。
医学生医学生
臨床実習で回った病棟でも、入院患者さんの多くが高齢の方でした。数字の背景にそういう現場があるんですね。
ドクタードクター
その実感が大切だよ。統計の数字は、自分がこれから働く医療現場の姿そのものだ。最新の値を毎年確認する習慣をつけておくと、試験にも臨床にも役立つ。

まとめ

平成22年(2010年)の国勢調査による65歳以上人口の割合(高齢化率)は23.0%で、選択肢の中では25%が最も近く、「4人に1人に迫る」という感覚で解答できます。高齢化率は7%超で高齢化社会、14%超で高齢社会、21%超で超高齢社会とされ、日本はそれぞれ1970年、1994年、2007年に到達しており、7%から14%までの倍加年数が約24年と欧米より著しく短いのが特徴です。その後も高齢化は進み、2020年の国勢調査では約28.6%、2020年代半ばには約29%となり、将来推計では2040年ごろに約35%に達すると見込まれています。統計値は年次で変わるため最新の値を押さえるとともに、年齢3区分や老年人口指数の定義も整理しておくことが、試験対策だけでなく高齢者医療の現場を理解する土台になります。

解答・解説

正解はcです

我が国の人口高齢化の程度を、数値でおおよそ把握しているかを問う問題である。 総人口に占める65歳以上人口(老年人口)の割合を高齢化率(老年人口割合)とよぶ。平成22年(2010年)の国勢調査では、65歳以上人口は約2,900万人で、総人口の23.0%であった。選択肢の中でこれに最も近いのは25%である。 当時からよく言われていた「国民の4人に1人以上が高齢者」という感覚をもっていれば、それだけで選べる。65歳以上人口のうち約半数(総人口の約11%)を75歳以上の後期高齢者が占めていた。 なお本問は古い年次の統計値を問うており、現在の国試対策としての有用性は低い。現在は最新の値(2020年代で約29%)を押さえておく必要がある。

選択肢考察

  1. ×a.  5%

    高齢化率5%前後は、第二次世界大戦前後から1950年(約4.9%)ごろの我が国の水準である。現在では高齢化が進んでいない途上国にみられる値であり、平成22年の値とはかけ離れている。

  2. ×b.  15%

    我が国の高齢化率が14%を超えて「高齢社会」に入ったのは1994年であり、15%前後はおおむね1990年代半ばから後半の水準である。平成22年にはすでに20%を大きく超えていたので誤りである。

  3. ○c.  25%

    平成22年の国勢調査による65歳以上人口の割合は23.0%であり、選択肢の中で最も近い。その後も上昇が続き、平成25年(2013年)には25%に達し、4人に1人が高齢者という状況になった。

  4. ×d.  35%

    高齢化率35%前後は、将来推計で2040年ごろに到達すると見込まれている水準である。平成22年の値としては高すぎる。

  5. ×e.  45%

    高齢化率45%は、将来推計でも全国平均として想定されていない水準である。一部の過疎地域の市町村ではみられるが、平成22年の全国値ではない。

高齢化の段階を表す用語(一般的な目安)

・高齢化社会: 高齢化率7%超(我が国は1970年に到達) ・高齢社会: 14%超(1994年) ・超高齢社会: 21%超(2007年) 我が国が7%から14%に達するまでにかかった年数(倍加年数)は約24年である。欧米諸国(フランス約115年、スウェーデン約85年など)と比べて著しく短く、高齢化の速さが特徴である。

高齢化率の推移(おおよその値)

・1950年: 約5% ・1970年: 約7% ・1994年: 約14% ・2010年: 23.0%(国勢調査) ・2013年: 25% ・2020年: 約28.6%(国勢調査) ・2020年代半ば: 約29%(高齢者人口は約3,600万人) 2020年代には75歳以上人口が65〜74歳人口を上回っている。将来推計では2040年ごろに約35%、2070年には約39%に達すると見込まれている。

年齢3区分

・年少人口: 0〜14歳 ・生産年齢人口: 15〜64歳 ・老年人口: 65歳以上 老年人口指数は(老年人口÷生産年齢人口)×100で求める。この指数は、現役世代何人で高齢者1人を支えるかの指標として使われる。

POINT

・平成22年(2010年)の高齢化率は23.0%であり、4人に1人に迫る水準であった。 ・現在の高齢化率は約29%であり、約3.5人に1人が65歳以上である。 ・高齢化社会は7%、高齢社会は14%、超高齢社会は21%が目安である。我が国は2007年に超高齢社会となった。 ・統計値は最新のものを押さえておくこと。

※問題・正答は厚生労働省の公開資料をもとに掲載しています。